23/09/2008 マチネ
千穐楽。
客席(最前列下手)に入って舞台を見渡せば、パンチに弧を描いた切れ目発見。これはと上手を見れば、おお、これは懐かしき回り舞台。客入れ中にパ ネルの裏側と楽屋を見せて準備に余念のない役者陣を見せるとは、これはいわゆる舞台裏事情モノに違いない、さていつどの場面でクルリと舞台を回すかな。
と思ったら、幕前の暗転でいきなりクルリ。15分してまたクルリ。お、お、お、回る回る、惜しげもなく回る。下手側も蝶番を軸にパタンパタンとパ ネルが開閉して舞台が変わる。この趣向も面白い。舞台美術の杉山至曰く、「本広さんは動くのが好きだから」。杉山よ、人のせいにしてはいけない。君が動く 舞台大好きなのは20年前から良く分かっているぞ。
下手からだと、パネルのスキマから黒子役の役者の手がはるか上手に見通せて、なんとも面白い。そうした効果を下支えしてか、辰巳・白神コンビは良く映えた。白神未央、この舞台の力抜いた演技は出色。彼女が出てくると何だかほっとした。
肝心の芝居のほうは、舞台裏事情に男女の事情、芝居人エゴや演劇にかける情熱がとる形を描いて、近年の高井浩子のアベレージに届かぬ凡庸な戯曲。 設定の辻褄あわせとお客サービスが先に立ってまとめ切れなかった印象。「現代口語演劇くん」の設定は結構面白いと思うんだけど、誰かに遠慮してないかい? どうせやるならもっともっと現代口語演劇くんらしく「リアルに」やっちゃっても良かったんじゃないの?ほかならぬ高井・本広コンビなんだから。
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