2008年9月9日火曜日

青年団 ヤルタ会談+森の奥

06/09/2008 マチネ・ソワレ

前から観たい観たいと思っていたけれどなかなか機会がなかった「ヤルタ会談」と、ベルギーでのプロダクションが来日中の「森の奥」日本語リーディングの二本立て。「森の奥」はA組B組に分かれて二度楽しめる。1日小竹向原を徘徊しながら、マチネ・ソワレと拝見。

ヤルタ会談、うーん、こりゃ面白い。世界史上の重要な事件って、実は、それが起きている間、そこに居合わせた人たちがみんなそろって「オレは重要だ」という顔をしてる訳ではない。と思うのだ。もちろん、「オレは重要だ」という顔をしている人はいるけど、そういう人たちは、重要でない事件に際しても「オレは重要だ」って顔をしてるよね。そういう意味で非常に平田オリザっぽい芝居だと思う。三人の芸達者の「笑わせにかかる技」に騙されてはいけない。

マチネは下手で観たのだが、英語字幕の出来が良くて、ついついそちらにも目が行った。さすが、北米ツアーでもまれてきたプロダクションだけあって、そっちも出来が良い。

「森の奥」=(「科学するココロ」+「北限の猿」+「バルカン動物園」) ÷3 -学生 +ベルギーの匂い
ということで、これらの芝居を知っている人なら予想がつくだろうが、とにかくサルの研究の説明が長い。これを平田戯曲、リーディングでやると、観客眠くなっちゃうんじゃないか、ということなのか、演出多田淳之介が出した趣向が、「ライラの冒険(His Dark Materials)」。役者がみな自分の「おサルDemon」を持って動いて、舞台上のコミュニケーションが「人と人の間」なのか「DemonとDemonの間」なのかが曖昧になるように振舞っていた。その趣向、面白い。

人とDemonの距離感や「人間コミュニケーション」と「Demonコミュニケーション」のギャップの捉え方、が役者によってまちまちで、そのズレを追うのが楽しい。そのまちまちな感じが、「稽古時間の不足」を反映しているのか、「狙った効果」なのかはちょっと微妙な気もしたけど。

うん。これをベルギー人役者(フラマンの人とワロンの人の共演)でやるのか。楽しみ。

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