2016年4月18日月曜日

The Master Builder

12/03/2016 19:30 @The Old Vic

Ralph Fiennes主演。イプセン。Old Vic。David Hare脚色。観に行こう!
ということで、若干高めのチケットを買って出かけたのだが、2度の休憩を2回挟んだ2時間45分、チケット分は十分に楽しんだ。

舞台装置は相当お金がかかっていて格好良い仕上がり。
役者陣の演技は劇場の大きさに合わせたのか、若干新劇風な感じがしないでもないが、戯曲そのものがミッドライフクライシスを上手くいなすことが出来ずに自滅するバリキャリ中年男を描いていて相当に面白く、演技に辟易せずに舞台の進行を追っていられた。

こういう戯曲は、岩松さんの演出とか、東京乾電池とかで観られると相当面白い仕上がりになるんだろうなー、と思われた。
Ralph Fiennesは、"In Bruges"とか"The Hotel Grand Budapest"でも相当に真面目な演技をしていたのが印象に残っていたのだけれど、この芝居でも、主役を張ってることは間違いないのだけれど、いたずらにスター面するのでなく、きちんと真面目にミッドライフクライシスを演じていた。

これは、脇の役者陣にも言えたことなんだと思うけれど、生真面目な戯曲を生真面目に演出して演技すると、相当カチッと仕上がるのだけれど、「破れ」はない。突き抜けることもない。
初演が書かれた頃にはひょっとしてもっと突き抜けて見えたのかも知れないし、また、現代に持ってきたとしてもさほど古びたテーマでもなく、むしろ現代にも通じる話だなー、って思わせることの出来る芝居にカチッと仕上がったことは素晴らしいのだけれど、
うーん、どうしても、その先のことを期待してしまうと、「チケット代までは楽しんだんだけどね」
ってなってしまう。贅沢な悩みだろうか。