2015年9月10日木曜日

Swallow (Edinburgh Fringe Festival 2015)

29/08/2015 21:45 @Traverse 1

Traverseってのは設備もとても良いし併設のパブもとても感じが良くて、小屋としては一流。キャパシティ250人くらいの擂り鉢状の舞台が心地よい。

Swallowは、英国に住む女性3人の孤独と触れ合いを、時としてモノローグで、時として「限られた時間の中での」交流を通じて描く現代劇。
こんなクリシェがとてもお似合いの、ぬるくて退屈な芝居だった。

どんな女性たちかというと、最近ボーイフレンドの浮気が発覚してショックのあまり自分の顔に沢山縫うような傷をつけて仕事も休んでしまったバリキャリの人と、性同一性障害で悩む生理学的には女性な人と、ここ2年ぐらい兄弟のカネで借りているフラットに引きこもっている女性。
そういうキャラ設定自体にケチをつけるつもりはないのだけれど、おそらく、この芝居を台無しにしてしまっているのは、引きこもりの女性が、「引きこもりって多分こんなもの」みたいなドリーム入った感じでしか描かれていなくて、切実さがまったく感じられなかった、ってことなのではないかと思う。

起きていることとして語られる出来事はヒリヒリしていることを訴えるかのように語られるのだけれど(鏡を全部割ってモザイクに作り替えるとか、家具調度を全部なくすとか、カーテンを全部ハサミできってペリカンの巣にするとか)、岩井ヒッキーワールドの切実さは皆無。説得力がない分だけ女優が「熱演」「熱弁」に頼らざるを得なくて、まぁ、その熱についてはちょっとだけ買っても良いが、それ以上のものではない。

そうだ!この芝居は、引きこもっていたことのある人、引きこもっている人のための芝居ではなくて、
「引きこもりに漠としたあこがれを抱いている人」による、「引きこもりに漠としたあこがれを抱いている人」のための、「引きこもりに漠としたあこがれを抱いている人」の芝居なんだ!
だからこうなっちゃうんだよ。

そういうぬるい進行を全体として許容しているものだから、ラストシーン、初雪が降ってその冷たさに触れて「私は外に出られたのよ!」みたいにいきなり解放されちゃうという途方もなくお人好しで、ストーリー上はみんながちょっとだけ救われるように書かれているのにも拘わらず客席では誰も救われないという大惨事になってしまうのだ。
いや、違うな。客席はけっこうみんな喜んでみてたな。喜んでないのはオレだけかもな。

まぁいいや。僕にはつまらなかったです。

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