30/08/2015 23:15 @Traverse 2
白いグンゼ風のランニングに白ブリーフ、どこから見ても中年度満点な2人が深夜のTraverseで繰り広げる生と死の狭間のお話。
エディンバラ初っぱなに観たConfirmationに引き続いて、Chris Thorpeによる「いかがわしい語り手」を満喫。かたや相方のJon Spoonerもしっかり受けて立って、この日6本目の芝居であるにもかかわらず全く眠たくならない。それどころか帰り道は若干興奮気味で、実は後ろの席に前の晩飲んだA/M両氏いらしたにも拘わらず気がつかないで帰ってしまった。
語られる「お話」は主に2つで、一つは轢死体のパーツを探す2人組の警官。もう一つは真冬の凍った湖に落ちて心臓が止まった女の子。その他、AEDの使い方等々。物語としては取り立てて衝撃的であったり感動的であったりはしないのだけれど、この劇場の中でこの2人に語られるときに、確かに何かしら作用していることを感じる。
確かに。この劇場に入る前と出た後とで、何かしら、おそらくちょっとだけ、生と死に関する感じ方が影響を受けていて、こういう風なのを異化効果と言うんだろうか、などと考えた次第。
ポイントは、語り口。観客との関係の取り方。ギアの入れ方。この辺りの上手さには本当にしてやられる。
ちなみに、開演前に観客にA5版のカードが配られて、"I think I will die..."と書いてある。「私はこんな風に死ぬと思う・・・」と最上段に書いて後は空白。そこを埋めて、アンケート箱に入れておいて下さいね、ということだったのだけど、このパフォーマンスのラスト15分は、そのカードに書かれているままを歌詞にして、2人で「僕たち、いつか死ぬよね。わかっちゃいるけど、いつか死ぬよね」と、歌い上げてくれる!そして最後は客席もご一緒に、サビの部分は合唱で(まぁ、大合唱と言うほどには人も入ってないのだが)。
僕の考える死に様も、(かなりくどくどしく長ーく書いてあったのだが)きちんと歌ってもらえて、嬉しかったな。自分の死に様を人に歌ってもらうっていうのは、カタルシスがある。自分としてはかなり正直に書いたつもりで、それを先のA/M両氏も聞いているはずだが、まぁ、内容自体は秘密。
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