12/09/2015 14:30 @Young Vic, Main House
戯曲が"The Curious Incident"でキレキレだったSimon Stephens、演出が"A View from the Bridge"が日本でも大人気みたいなIvo van Hove、ということでYoung Vicメインハウスの舞台も大入り、大いに期待して行ったが、どうにも退屈だった。
ニューヨークで働くオランダ人独身男性が、弟の死の知らせを受けてオランダに里帰りする。家族との行き違い、元カレとの再会と別れ、あと色々。で、ニューヨークに帰ってきてから、亡くなった弟宛の手紙を書いて、それを自分のアパートから観客に向かって朗読するという趣向の一人芝居。
よく分かったよ。さびしい人なんだって事はよく分かったよ。
物語が進むに連れて彼のさびしい内面が明かされていく、それに合わせて真っ裸になっていく。あぁ、そういう趣向ね。良ーく解ったよ。
ミニマリズムのシンプルな舞台が、彼の内面と合致して、ラストへと続く心象を良ーくあらわしている。そうだよね。その通り。上出来です。
一つ一つの仕草が、細かく彼の心の揺れを表現していている。それを上手く(何度か、どこからか聞こえてくる)劇中歌と照明の妙でサポートしている。
もう、表現したい、説明したいという臭いだけはプンプン伝わってきて、うんざりした。
それだけ表現したい放題に表現しているのに、
「なぜ、自分が死んだ弟に向けて書いた手紙を、観客席に向かって朗読するのか。しかも身振りを交えて、真っ裸になって。」
という疑問に対しては100%無防備なのにも困ったもんだ。
いや、本当は、本当に微細な表現を使った丁寧な舞台だったのかもしれないよ。観客席に向かっての朗読にもきちんとしたフレームが嵌められているのかもしれないよ。だからきっと、終演後もスタンディングオベーションの方、結構沢山いらしたし。
僕の隣の女性も、1時間以上スヤスヤと安らかな寝息を立てていらしたが、スタンディングオベーションだったし。
実際、僕は、「オランダ人のアメリカ訛りの英語」が聞き取りづらくて聞き取りづらくて、しかも芝居が単調なので眠気こらえて怒りこらえて観てたんだ。
(だから、真面目に、何か見逃していたのかもしれない)
てなことを感じながら劇場を後にしたのだが、後でウェブで各紙劇評を観たら、「平板だった」っていう評もあったので、(台詞を100%掴んでいなくても)あながち小生の感覚も外れてないはずである。
本当に、こういう「お上手な」芝居にはウンザリだなあ。こういう芝居を好む人が沢山いるっていうのも頭では理解できるんだけど。
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