2008年5月29日木曜日

タテヨコ企画 月の平均台

28/05/2008 ソワレ

初日。大入り。何よりである。いきなり横田修の開演前挨拶で反則技炸裂。すっかり舞台を持っていく。本心で言うが、横田氏は客入れ・客出し、止めたほうが良い。役者がかわいそうだ。もちろん、毎度楽しみではあるのだけれど、マジで、芝居から気がそれるよ。

とはいうものの、良い芝居を楽しむことが出来て、小生ご満悦。開演前「いつもと趣が違うので心配だ」とのコメントだったが、確かに「フォーマット」に若干の違いはあってもいつもながらのタテヨコの芝居だ。

三方囲み舞台にした森の中、という設定。チップを敷き詰めた舞台、良し。濱崎賢二、良い仕事である。天井に枝・葉を垂らしてくらーい雰囲気なのだが、こういうときには駅前のタッパのなさがちょっとだけ惜しい。あと50cm(いや、1m?)だけ高ければ、もっと印象違うはず。照明も、役者の顔が見えにくい・見えるのギリギリのところで、あぁ、苦労したに違いない、と思う。結果、(タテヨコの役者の暑苦しさを考慮すると)これくらい表情読み取るのに苦労するくらいが丁度良い気がした。

「みはる」を演じた召田実子は、むかーし芝居を一緒にしてた広瀬由美子という役者になんだか雰囲気が似ていて、まずそれだけで見入ってしまう。舘智子さん、相変わらず美しい。
が、女優だけ観に行っているのではなくて、やはり、タテヨコの芝居で見入ってしまうのは、横田修の「根底にある人のよさ=世の中、みんな根は良い人だ、という根拠のない前提(少なくとも舞台の上では)」と、それに乗っかってリラックスした演技をする役者達、の関係かな。このリラックスした感じは、押し付けようと思って押し付けられるものではない。

従って、横田氏の懸念はほぼ無用と見る。が、気になったことといえば、終演後、
「いい芝居だった」 と言おうとして、
「いいハナシだった」 と言ってしまったことか。
そういえば、いつもにもまして、物語で引っ張る割合が大きかったな、と。タテヨコ役者陣だから見方を誤らなかった部分もあったが、そこらへんに本人も危うさを感じていたのだろうか?

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