2008年11月23日日曜日

パラドックス定数 怪人21面相

22/11/2008 マチネ

再演。初演を観てないので、この芝居は今回が初めて。
今回の決め台詞は、白砂の「私を、思い出すんだよ」。
うぉおおーー、それ、言わせますか?しかも、ちょっとタメを置いてから。
2年近くにわたり、作・演出の真の意図とはおそらく100%無関係に展開している、「パラドックス定数やをい演劇説」を全面的に裏付けるべたべたな台詞が・・・

野木氏の芝居をこういう風に「期待しながら」観るのは、芝居の観客として最早よろしくない段階に来ていると、我ながら思う。
次回以降は、もっと「テクニカル」に芝居と役者の動きを追わないと、流石にイカン。

某氏からは、高村薫氏の秀作「レディ・ジョーカー」の萌えっぷりとどこがどう違うのか?との質問を受けた。あ、そうか。グリコ・森永ネタのやをいといえばレディ・ジョーカーが横綱ですな。この芝居では、作・演出は、「敢えて」高村氏と同じ素材を選びつつ、別の切り口で力強い妄想力をもって別の物語を創り上げることができることを示した。と僕は評価する。

それでは、芝居として、演技を見つめる中からの想像力・妄想力を喚起させる力はどうか?そこがやっぱりいまひとつ判然としない。困ったものです。やはりここでも、僕の「芝居の見方」が試される局面に自分が置かれていると感じる。

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