27/06/2008 ソワレ
初日。
ここ2年くらい観てきた青年団の舞台に較べて、人の出入りを抑え、一人ひとりが受け持つ時間帯をストレッチして、その分芝居全体のうねりも大き く、力強い。それをきっちり受けて立ち、舞台上の空気を支える役者の力も充分。終演後の「打ちのめされた感」「満腹感」は、ここ最近観た中でも一番だっ た。
「いかに相手のレスポンスを無視して無理矢理話し続けられるか」は、いわゆる長台詞への平田なりの回答かもしれないし、
「台詞のとちりだか演出なんだか最後までわからない、誰も突っ込めない言い間違い」とか、
「この人は本当のことを言ってるんだかうそを言ってるんだかわからない」とか、
ナミの戯曲ではこなせない面白テーマも盛りだくさんで、それはいうなればソースの愉しみ。
放射形の広がりを意識した舞台の「すわりの悪さ」は、「上手から下手に流れる緩やかな風」という「別役舞台風水」の風の流れを分断して、それは、この芝居ではむしろ効果としてはプラスに働いていた。
役者の衣装も、これはモロにネタバレなので書かないが、「サービスシーン」てんこ盛り。
もちろん役者の技量は保証つきで、どこを観ても飽きない造りはいつものことながら、「ひらたよーこ vs 松田弘子」「山村崇子 vs 松田弘子」は、まさに、"Clash of the Titans"と呼ぶにふさわしい。それに限らず、各役者への「重心のかかり方」が今回の青年団では非常にはっきりしていたように思う。「パス回しだけ じゃないぞ」という感じが、どの役者からも骨太に伝わった。
いまや小劇場演劇の「メインストリーム」と呼ばれることもある青年団の新作だが、青年団が、「時代を軽やかに駆け抜けて」いないことははっきりと 分かる。どこに向かっているかは一観客として知るべくもないけれど、ドーンと腹に響く一歩、次にピアノが撃つコードがまるっきりコンベンショナルなところ からかけ離れている、要は、”Giant Steps”、とまあ、お後がよろしいようで。
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