2008年6月16日月曜日

流山児事務所 双葉のレッスン

16/06/2008 ソワレ

ごまのはえ氏のニットキャップシアター、彼岸の魚という芝居を1年くらい前に観て、なんだか80年代っぽい芝居だなー、もうちょっと突っ込んで書 ける人なんじゃないかなー、と思っていたのだが、何と今回、すっごく良く書けた台本で、さすがに作者のごまのはえ氏、天野天街・流山児祥の両氏に五度も書 き直させられただけの事はある。

前半の繰り返しパートのドライブ感、ズラしを入れながらの後半への加速感はなんとも観ていて心地よく、観客が「種明かしに向けたヒント」を見つけ に走らないよう、エンターテイニングに、テンポ良く進む。このテンポは2年前に早稲田で同じく天野演出の芝居を観た時と同様で、ああ、これが天野節なの か、と思ったりもする。

そういうわけで、後半に差し掛かるまで、悪い意味ではなくて、「80年代演劇との幸福な再会」な感じがしていたのである。正直、それだけでも、この芝居、観る価値はあると思う。

でも、最後になって、このわけの分からない話の風呂敷を、何と、畳んで、オチをつけてしまったのは、とても残念。これだけしつこくめくるめく不条 理な繰り返しを見せ付けているのだから、そこから物語を妄想する作業と勝手なオチをつける作業は、客に任せてほしかった。メッセージは要らない。ただた だ、役者が舞台上をぐるぐると巡り続けるだけで、スッごく強力な、まさに「演劇でしか出来ない」舞台になっていたのじゃないかと、思ってしまった。
そこらへんが、実は、80年代に僕が観ていた芝居に感じていた限界と妙に重なって、懐かしいというか、惜しいというか。

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