21/06/2008 マチネ
「岩井一人称芝居(*)」を予想して来た観客をまんまと罠に嵌めて、しかも現代口語演劇の手練手管だけじゃなくてしっかり家族の物語なエンターテイメントだったりするぞ、というわけで、ヤラレタ!こりゃおもしろい。
(*) 「岩井一人称芝居」とは、「岩井秀人の自意識を中心に」「岩井秀人をあらわす登場人物に移入してもらうことを前提として」「岩井秀人の視点で」「岩井秀人の物語を進行させる」芝居を称して、小生が勝手に名づけたものです。
視点のズレトリックだけで見せてるんじゃないぞ、というのが、次男坊の友人や長女のムコの使い方で、彼ら2人の存在が芝居のフォーカスが複数視点で分解されちゃうのを防いでキュッとネジを締めていた。
戯曲の話とは別に、また、どうやったら、「場として成立していないこと」を「舞台上の場として成立させる」のか、という課題もあって、そういう企みをきちんと舞台に載せるためには、もちろん役者の技量がしっかりとしてなくてはならなくて、その辺りも、猪俣氏初めとする役者陣、すばらしい。わたくしメ的には永井若葉さん素敵で素敵で仕様がないが。
芝居がはねて劇場の外に出ようとしてると、やたら興奮してお友達にまくしたててるオジサンが一人いて、よーく見ると東京芸術劇場の高萩氏でした。そりゃそうでしょうとも。とっても面白いよ。今回のハイバイは。
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