09/09/2007 ソワレ
あぁ、テント芝居は、ほんとぉにえぇなぁ、これだよこれ、靴袋、等と考えつつ入場すると、そこに何とテントにはおよそ似つかわしくないベンチ席が。迷わず座った自分に「ほとんどこりゃ背信だ」と自虐の責めが入りつつ開幕。
海外に持って行ったプロダクションだというだけあって、国内版では入らないだろうような何だかお洒落な群舞も付いて、こなれた仕上がりに感じられた。ただ、こなれるというのは誉め言葉半分、そうでないもの半分なところがあって、というのも、妙に観客に優しい作りが、逆に、
「何が何だかわかんないけれどすごかった」
という、昔の梁山泊が持っていた(hopefully今も持っている)、あるいは、今でも唐組が明らかに保っている、あの感覚を殺しているような気もしたのだ。
おそらく、オーストラリア人にこの芝居を見せるときにはそれなりの「配慮」も必要だったのだろうけれど。
この芝居だけで、「ぬるい」とか言ってしまうのは乱暴に過ぎるとは思うけれど、どうなのかなぁ、と思ってしまった。ベンチ席に座っといてこういうのも何なんだが。
でも、テント芝居は、やっぱり良い。客席のどこで見ても役者が近くて、「肉声」を感じる。照明にてらされて蛾が舞うのも風情があって、その風情は、最近増えた幾分冷たい感じのする劇場では味わえない。これから始まる井の頭公園野外劇フェスタ、楽しみです。
0 件のコメント:
コメントを投稿