2016年9月6日火曜日

Camille O'Sullivan: The Carny Dream (Edinburgh Festival Fringe 2016)

22/08/2016 20:30 @Underbelly Circus Hub in the Meadows

今回のエディンバラでは、ストレートプレイ偏重は避けよう、と思っていたこともあって、「キャバレー」に行ってみることにしたのだ。
Underbellyとは言っても"In the Meadows"なので、Meadows(旧市街の南側に拡がる気持ちの良い緑地)の一角に建つテントでの公演。テントでの1時間40分ほど、大いに堪能した。

冒頭、Radioheadの"Exit Music (For a Film)"から始まって、あれ、こんな曲を歌うのかなー、と思っていたら、
Bob Dylan、Tom Waits、Nick CaveからAlicia Keysまで、いろんな曲を織り交ぜて、実に幅が広い。
観客層の老若男女、幅広いのだけれど、その広い層が、とても良く反応していて、みんな、洋楽聞いてるんだなー、って思ったり(だってここUKなんだから、当たり前じゃないか!)。
飛び抜けて歌の上手な人だなー、とは思わなかったけれど、やや泥臭い感じの節回しで歌うアルトが良い。
語りもキレキレなわけではないけれど、たっぷり時間を取って観客の反応を確かめながら進行するところに、エディンバラフリンジ12年目という貫禄を感じる。

あぁ、こういうのを、キャバレー、っていうんだなぁ。
語りと歌をとり混ぜながら、観客の記憶とか感情とか、そういうものを掘り起こしていく作業なんだろうなぁ、と。
日本でいうと、「白いばら」みたいなキャバレーも、そういう場所なのかも知れないなぁ、とか、
「ディナーショー」って、そういう場なのかも知れないなぁ、とか、
もし、懐かしい歌を、とても上手にじゃなくて、泥臭い感じでも、自分に近いところで歌って貰えたら、
いろんな感情が掘り起こされて、幸せに感じるのかな、とか、そういうことを考えながら、気持ちよーく聞いていた。

で、後半は、Bowieトリビュートで何曲か。周囲の55歳+のオヤジ層の反応がすごい。そうだよな、70年代から80年代、この人達、リアルタイムでBowie聞いてたんだもの。
Princeに捧げるPurple Rainでは会場みんなで声を揃え、最後はBilly Joelで締めて、「大盛り上がり」というよりも、しっとりと、いい感じで暖まって終了。
いや、良かったです。これぐらい力を抜いて楽しめるんだー、って。

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