2007年10月29日月曜日

岡崎藝術座 オセロー

28/10/2007 ソワレ

激しく面白い芝居だったのだが、引っ掛かるところもあり、また、ちょっと忙しくもあったので、千秋楽を迎える前に日記書けなかった。残念。

70分、舞台から目が離せなかった。目が離せないのには明確な理由があって、
「フロントで人が台詞を話している時、あるいは、暴れている時には、必ず目に付きにくいところで変なことをしている奴がいる」
というのがルールで決まっているかのように、絶えずいろんなことが起きているからである。

オセローという、話の筋道が広く知られている芝居を舞台にのせるのだから、ストーリーの説明はおざなりで構うまい、という割り切り。
キャシオーの棒読みたどたどしい台詞から入っていく手管。白オセローの白目と黒目の対比。イアゴーの演技はまさに「裏で面白いことをしている時に フロントで台詞を吼えまくる」献身的かつ利他的と呼んでいいものであったし、唯一、物語の進行を担いながら色物であることも許されたヘレン・スミスからも 目が離せない(英語のアクセントで、オーストラリア人かなぁ?とぼんやり思っていたら、当たっていた。ちょっと得意だ。)。黒オセローの暴れっぷり、JB =エミリアの動き。ラストの電気ポットから出る水蒸気。
BGMの乱暴な使い方。ラストの威風堂々に爆笑をこらえる。
そしてセンター男。最初の舞台中央での振り付け、何をキューにしているか結局最後まで見破れず。でも絶対何かをキューにしている反応だった。

と、70分、「あぁ、面白かった」。でも、何でオセローなの?
こいつら、実はどんなテクストを持ってきても一緒なのではないか、との疑念がふと沸き上がる。おそらく、そこが、この芝居のミソの1つで、ストーリーを伝えることには100%興味が無いのだろう。ただ、舞台に乗っているものを楽しめ。
その快楽を、スッゴく高いテンションをもって駆け抜ける態度を、僕は、初見ということもあって思いっきり楽しんだのだけれど、さて、次は?その次は?

ものすごいことになりそうな気もするし、袋小路に入りそうな気も無くはない。いずれにせよ、個人的には今後見逃せない気がしている。

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