2007年10月15日月曜日

東京乾電池 恐怖・ハト男

14/10/2007 ソワレ

開演前のアナウンスで、上演時間2時間20分、と聞いて、客席からいきなり恐怖の声が上がる。これで詰まんない芝居だったら最悪だ。頼む、面白くあってくれ。

結論。大変面白い芝居だった。ところどころ、効果があるのか無いのか分からない効果音を入れてみたり、数分間を飛ばすために暗転して幕を下ろして又上げて、なんていう意味のないことをやってみたり、ただ、それがアクセントにもなったりして、飽きずに最後まで観れた。

そして、エレベーター。あの閉まり方へのこだわりは、エラい!!舞台美術、そこだけ取り出してロボコン100点差し上げたい。

トータルで見て、破天荒な物語が好きなのに「物語」は排除したいという作・演出の意図は充分に満たされていたように思う。誰にどう落とし前をつけて、因果関係が云々、というのに拘らず、最後まで「場の空気」と「どこにも行かない・行けない感」を流し続けた力に敬意、敬意。
他の劇団も、同じどうしようもない生活を描くにしても、こうやって、押し付けがましくなくやったらいいのに、と思ったことである。

ただ、どうしても長くなる原因というのは見出されて、それは、「同時多発型会話」の不在である。会話が始まる前に、参加しない人たちを追い出す段 取りが必要になる。戻ってくると会話が止まる。書きたいと思った会話を全て入れると芝居が長くなる。そこはなんとか、「技術的に、処理」出来なかったのか なぁとも思われた。そういう技術的なところで、「単線な感じ」から、より、平田オリザチックな「時空を編みこむ感じ」へと脱皮していける余地があるような 気がした。今後も楽しみだ。

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