27/10/2007 マチネ
アトリエ・ヘリコプター、とってもいい小屋だ。ここでやってる芝居というだけで、行ってみたくなってしまう。正直言って、今回の乞局もとっても迷っていて、きっと、王子でだったら行かなかったんじゃないかと思う。ヘリコプターだから、行った。
で、台風の中を五反田駅から15分。行って良かった、と思ったことですよ。乞局三回目にして、もっとも良かった。いや、良い悪いでなく、「きちんと見ていられた」ということかもしれない。
弟の自殺を巡る話だけれど、実は、描かれているのは「弟の周囲の人間」である。兄・兄嫁・元の交際相手・元の同棲相手、労協義塾、それぞれが、自 分の生活のジグソーパズルの1つのピース(=弟)がかけたことに対してどのように対処するかを下西風味で描き出していくのだが、登場人物に2人例外があっ て、弟と(書きこむ気が無いかのように何もしない風に描かれる)、バンバなる男。
この2人の関係については、何か最後のほうにあるんだろーなー、と思っていると、案の定、ほぼ伏線どおりに落ちる。でも、種明かしに時間をかけないし、最後までimplicitである。
そういった、テーマとか物語とか何とかはimplicitに、遠まわしに、小出しに、という、何だか現代口語演劇の金科玉条のような雰囲気が、実は現代口語演劇教条主義者の僕にはまったのかもしれない。
で、テーマは?といわれると、確かに、(ネタバレっぽくなっちゃうので言わないが)ちょっと青臭いし、三橋・竹岡ペアはもしかするとフラストたまる役回りかな、とも思ったりしたが、まあいいや。
前に観た二作と異なっているのは、「気持ちの悪いものをみせる」ということに焦点を当てるのでなくて、パーツとしては気持ち悪くないのに「こうい うのが気持ち悪いんだよ!」と本人に言わせるようにもって行く周囲に焦点を複数当てて行く点で、それが、あからさまに気持ち悪くないのに全体としての気持 ち悪さあぶり出しに繋がっていた。
根津茂尚=兄のポジション取りと、木引優子=元交際相手の裂け目の見せ方に感心。
こういうことがあると、「滅多なことで、もうここの芝居は観ないなんていっちゃいけないなぁ」、と思う。
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