03/11/2007 マチネ
あうるすぽっと初訪問。どうも客席が平たい小屋で、これじゃ後ろの人は舞台が遠く見えるのではないかと心配されるが、実は客層にお年寄が多くて、あぁ、これからは劇場もバリアフリーなのか、なんてことを考えたりしていたわけである。
で、松田正隆さんの岸田賞受賞戯曲だから、スタイルや構成、台詞に文句のつけようがあろうとははなっから考えていなかったが...
あっまあまでダッサい演出のお蔭で芝居は台無し。
そもそもが、左右の壁がぎゅっと両袖に開いた舞台セット。貧乏暮らしなのに優に12畳はあるぜ、この居間。
加えて、なんだか「淡淡とした二人の愛を描きます」みたいな音楽の使い方とか(暗転中は別として)、「けなげさ」大前面に押し出した竹下景子の絶叫寸止め台詞とか、こんな持って行き方では、後半の「多田登場」のシーンの厳しさも、ラストの平田さんの台詞も活きるまい。
それとも。これくらい甘くて「お客さんへの説明過多な」演出にしないと、いまどきの観劇ファンは許してくれない、ちゅうことですか?だとすると、事態はかなり深刻だろう。
日経に「劇場も大競争時代」なんて書いていたが、あうるすぽっとがこのていたらくでは、先々本当に思いやられる。これは、状況として、危ないぞ。
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