23/05/2010 ソワレ
女性ばかり14人のてだれ揃えて100分間、強力なエンターテイメントの中に芝居ならではの問題意識、見所もしっかり盛り込んで、観終わった感想は「さすが中屋敷、上手だわ。やられた。脱帽します」。が、中屋敷芝居を観ていて毎度毎度思うことだけれど、「上手」と思ってしまうのは、おそらく、賞賛40%、やっかみ40%、「このままでいいのか?!もっとやれよ!」20%、ということだと思うのだ。
二重の螺旋階段で組んだ美術は見事だし、その黒い立体の周りをびっちりと固まって動きながらそれぞれにきちんと「見せ場」を作って飽きさせない。くるくる回りながら入学から卒業までのサイクルを繰り返す高校生活って、定点観測するとこんなもんなのかな、と思ったりもするが、まぁ、その程度の「意味の読み取り」なんぞ、芝居を楽しく観ることとは全く関係ない。
「露出狂」と銘打つだけあって28本の立派な大腿、高校の制服からにょきにょきと生えて出て、しかもエロさを感じさせず。いや、実はこの「エロさを感じさせない」ところがポイントだと思うのだ。女優陣にあれだけ下ネタ台詞を喋らせておいてエロの微塵も無く、Hカップ女優が何度と無くムネをゆすっても(少なくとも僕には)詰め物いじってるとしか見えなかったりする(すみませんでした・・・)。それは、
・ただの、シェーファーのアマデウスに出てくるモーツァルトの下ネタ趣味に近い、子供っぽい悪ふざけ(だって面白いんだもん)
・「エロ」の記号だけに反応するヒトたち(肯定派も否定派も)へのあてつけ
のどっちか、あるいは、どっちもだったりするんだろう。いずれにせよ、表面を下ネタオブラートで包んで一見「お行儀悪い」ように見えながら実はかっちり仕上げて、エンターテイニングに出来上がってるものだから、文句のつけようは無い。観ていて安心していられる間は、上記のような問いへの答は創り手だけが知っていればよいのだ。観客は真相当てクイズをしているわけじゃないのだから・・・と、そういう目線を感じて、何だか「今回はここら辺で勘弁してやるか」はいい加減やめてくれよぅ、とそっと心の中で呟く。
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