2010年5月17日月曜日

タカハ劇団 パラデソ

09/05/2010 マチネ

新興カルト教団の卒業生たちが友人の通夜に集まって昔話。そこで繰り広げられる会話の中から、「(能力を)持つ者」と「持たざる者」、「モテる者」と「モテない者」の葛藤があぶりだされる趣向。

カルトものでありながら「組織」や「教祖」を登場させず、あるいはその存在を背後に感じさせることもせず、「同世代お友達トーク」にスコープを押さえ込んだことで、ありきたりの「組織に圧せられる自我」みたいな構図に陥ることは避けられている。が、一方で、「そういうことなら何もカルト教団の話にしなくても良くないかい?」となってしまいそうなのが微妙なところ。

観客から見たとっつきやすさのハードルは務めて低く設定してあって、それと合わせて考えるとカルト教団ネタも所詮はネタか。でも、これだけ丁寧に戯曲が書けて、達者な役者も集まってくるんだから、もう少し高いところに芝居自体のターゲットを置いても全然大丈夫だったんじゃないかなー、と思ったりした。

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