2009年3月1日日曜日

下鴨車窓 書庫

28/02/2009 ソワレ

初日。下鴨車窓初見。
シンプルで力強いプロット。くどくない進行。
こういう、一種寓話的な設定(固有名詞なし、社会設定なし)の芝居は、「個」に取り付くしまがなくて退屈し、眠気を催すことが多々あるのだけれど、この芝居については、司書役の男優が最後まで飽きさせず、2時間の芝居が苦痛抜きで観られた。

周囲の人間(受付嬢、学生、先生)がかしましく囀る中で、口数の少ない司書の「個」のよりどころの輪郭が浮き上がる過程が面白い。受付・学生の2人の女優の、一種投げやりな台詞の放り出し方も、それでしっかり成立していて、不快感を催さない。

僕が「本」を取り扱う芝居に未だに弱いせいなのか、それとも他に理由があるからなのか、本来あまり僕の好みのストライクゾーンに入らないはずのスタイルの芝居が、すんなり入ってきたことにちょっと驚いた。多分、きっと、力のある集団なんだろう。次回もぜひ拝見したい。

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