08/02/2009 ソワレ
人形浄瑠璃観たのは、ロンドンSadler's Wellsに曽根崎心中が来た時に見たっきりで、その時には、芝居もすごかったけれど、「日本の伝統舞台=歌舞伎=女形=女装趣味」と決め付けてバッチリ決めてきたゲイカップルの多さに目を見張ったのを覚えている。
今回、国立劇場に初めてお邪魔して、さぁ、どんなもんだか観てみようと思ってたらこれがもう面白くて面白くて。最後列だから人形の顔はよくは見えないのだけれど、人形のちょっとしたそぶりが面白くて、伝わってくる。
冒頭の喧嘩のシーンの華やかさ。河内屋のシーンの駆け引きの中での立ち居振る舞い、いずれも息を呑んで見る。
が、与兵衛がお吉に一発目斬りつけた後の、あの、放心とも覚悟ともなんともつかぬあの「立ち」にぐっと来た。上手から下手まで、油でさーーーっとすべるのにもぐっと来た。
そしてなにより近松氏の戯曲。極道息子の破滅一本道、という一直線なプロットでありながら、そこにえもいわれぬ襞を縫いこんで、結末が見えていながら一時も飽きさせない構成は見事の一言で、いや、これだけ書ければ何百年も残るでしょう。心から納得した。
0 件のコメント:
コメントを投稿