2009年2月8日日曜日

五反田団 俺の宇宙船、

07/02/2009 ソワレ

五反田団の神通力も三鷹までは届かないのか、星のホールには空席もちらほらあって、勿体無い。

相変わらず(全面的に建て直さない限りは)ひろ~い星のホールで、五反田団の芝居をどう見せるのかと思っていたら、舞台装置はやっぱり「ぎゅっと詰め込む」よりも「ふわーっと広げる」感じ。芝居の作りも、一点に焦点を当てないように、当てないようにと作っていた。あの広い空間を埋めに行っても勝ち目はないので、それはそれで正解。
でも、狭い小屋で観ればもっと余計なことが沢山見えたり想像されたりするところが、ひろ~いところだと、やっぱり動きを追う作業に追われて、「小さいものが見えにくい」「余計な妄想力を働かせにくい」嫌いあり。まぁ、それは、芝居の出来不出来ではなく、僕の好み。

<以下、若干のネタバレありです>

大山雄史の「お前、どっからその台詞回し借りてきたんだよ!」と思わず突っ込みたくなる台詞ぶりや、齋藤庸介の運転手の板についたサマは、「新年工場見学会はこのための練習だったのか?」と思わせる。大山氏、あんな風に、借り物な上っ面の言葉を「台詞として、借り物のように」言えるのはすごい。鳩狩り三人組(古典!)も楽しい。

川隅奈保子が舞台にいる時間が最も長くて、全体の構成も、彼女の妄想を起点としながら焦点を絞らせずに風呂敷を広げて、最後はしゅ~っと畳むように作ってあるのだけれど、その焦点の定まらなさと、妄想/現実の狭間を意識しているのか意識していないのか、外からは分かんないぞ、というポジションに、川隅氏、上手く身を置いていたと思う。さすがであった。

あぁ、でも、こうやって振り返ってみると、改めて、紋切り型の芝居なら1分半で済ませるシーンを、個人の妄想と現実の境を梃子にして思いっきりマッチポンプ式に膨らませて、1時間30分の芝居に仕立ててしまう前田氏はすごい。

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