2008年7月28日月曜日

@@ has a headphone "いつでもここは夏である"

26/07/2008 マチネ

楽しかった。観て楽しい、聴いて楽しい、飲んで楽しい。
山縣太一をはじめとする4人のパフォーマー達、みんなおしゃれで格好良くて身体がよく動いて、とても目が離せない。

プロジェクターで投射される記号の渦はまるで東京の街そのもので - そう、僕が久し振りに東京を歩いた時に感じた文字通りゲロ吐きそうなくらいの情報過多、「僕を見て、私を見て、これ買ってあれ買って」な記号の渦のようなのだ。

その中をくぐって、あるいはその中に全身埋まりながら、パフォーマー達は渋谷から新宿まで移動したり、バイクで走ったり、昔のことを話したりする のだが - そういう、街中で拾ってきたちょっとした身振りをダンスに仕立ててSTスポットにのっけた、なんて言っちゃったら、身も蓋もないおじさんの新 聞劇評に仕上がってしまう。

そうじゃなくて。記号の渦に逆らってるわけでもなく、でも、渦の流れに身を任せてるわけでもなく、そこにはパフォーマー達の「個」があって、
「僕を見て、私を見て、なんも買わんでいいから、僕らを見て。ここにいるの、僕らなんですけど。こうやって動いてるの、楽しいんですけど」
という、ひどく当然の、でも、伝えることも感じ取ることもエラく難しいモノが、目の前にポンと差し出されていることの興奮とせつなさ。

ポケットティッシュ手裏剣のキレの良さは往年の新宿の虎が夕刊をポストに投げ入れる時のキレを思い起こさせ、野上絹代がジャンプする瞬間に涙こぼ れそうになり、Balkan Beat Box でこんなに格好良く踊れる奴らに嫉妬する。松島誠の立ちに、山縣太一の酔拳に、山崎皓司のダッシュに、目を瞠る。

とても幸せな横浜の午後。ドリンク三杯でめでたくプレイリストも手にして、文句なくご機嫌でうちに帰りました。

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