2008年7月27日日曜日

三条会の真夏の夜の夢

25/07/2008 ソワレ

楽しかった。とっても楽しかった。

小田島訳のシェークスピアの台詞がこんなにしっくりと耳に入ってきたのが、まずは新鮮な驚き。これなら文句ありません。小田島先生もこの舞台を観ていたら、きっと自分も舞台に上って朗々とご自分の訳を読み上げたくなることだろう。
ボトムのロバはこれまで見た真夏の夜の夢の中でもっともグロテスクでユーモアに富む。それも含めて、素人芝居組は何とも楽しい、刺身のつまにとどまらない存在感を示す。
野外、円形の舞台もシンプルかつ美しい。舞台の向こうに木が繁って背景をなし、それが、なんとも、日本の森な感じで、それも良い。中央の円錐が、メイポールのような感じでそうでないようで、それも良い。

しかし、ショーを攫ったのは近所のおじさんだった。後半、舞台奥の役者用スタンドの間に、片手をスタンドにかけたままじっと動かず芝居の行方を見守る、いかにも近所からやってきたオヤジ。しかも、舞台奥ほぼ中央にいるので、照明モロあたり。それにも全く動じず表情も変えずに立ち尽くす姿に、観客はみなシビれていたに違いない。
結局、そのまま、芝居がはねるまで微動だにせず、舞台奥にはける役者陣も特に反応するでもなく、芝居は終わった。
あれが演出だったとすると、まさに脱帽ものです。あんなふうには、舞台に立てない。

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