2008年8月3日日曜日

山田せつ子 ふたりいて

02/08/2008 マチネ

途中幾度も舟をこいだ瞬間があったので、あまり生意気なことを言ってはいけないとは思うが、基本は「人にお奨めできるパフォーマンス」なので、書ける限りのことを書く。

開演から20分弱、音の無い中で、非常に厳しいパフォーマンスが展開する。「厳しい」というのは、パフォーマーの身体の動かし方、把握の仕方に対して要求が厳しい(=分かりやすい意味を排除する、日常へのリンクを排除する、メタファーとしてのデフォルメを排除する、予定調和を排除する、という、引き算を極める感覚)のと同時に、観客に対しても集中を要求するという意味で厳しい。この厳しさはすごい。と、素人目にも思う。

やがて舞台にパートナーが登場し、音楽が鳴り(90年代のルー・リードですか?という類のギター)、徐々に2人がお互いに影響しながら演じる場面になる。音楽も、大音量のものからミニマリズムっぽい繰り返しになったり、無音に近くなったり。
終盤は無音のパフォーマンスに戻り、それから、リスペクトールのテクストがスピーカーから流れる中でパフォーマー達が動きまわって、終わる。

これから先は言い訳になってしまうが、やはり、繰り返しの多い音楽が流れて、それにパフォーマンスがのっかった瞬間に、舟をこいでしまった。クラシック音楽聴きに言って、妙に耳当たりの良いメロディが流れると寝てしまうのと同じ道理。舟をこぐのはほんの2,3秒で、というのも、パフォーマーがあたかも2,3メートルを瞬間移動したかのように映って、驚いたりしていたからです。

ああ、やっぱり自分も、物語とか意味に頼ってしかパフォーマンスを観られないのか、と思って、自分にがっかりする結果となった。捲土重来を期したい。

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