2008年7月23日水曜日

東京オレンジ 真夏の夜の夢

21/07/2008 ソワレ

初見。『インプロヴィゼーショナルシアターシリーズでは、即興メソッドを使い、出演者と客席が一体となって、その肉体とアイディアを駆使し、たっ た一度しかない"いま・っこ"を創り上げていきます。』 ということだけれど、本当に面白いの? と、おじさんは、まず、懐疑的スタンスから入る。開演 後、パフォーマンスの前説によれば、どうやら、この集団は、そこいらの大喜利とは訳が違いますよ、てな鼻息なのだが、一体どうなるのか?

みていると、たしかに、観客からのお題をランダムに拾って、そこから作る物語と舞台設定にどうのっかっていくか、かなり気合入れて取り組んでいるのは分かった。で、こっちも気合入れてみてると、どうやらインプロには3通りあるらしい。
① お題から物語を膨らませること
② 舞台で起きていることに、(場の中で)ビビッドに反応すること
③ 舞台で起きていることに、新たな見方・ヒネリを加えて続けること

②が決まる瞬間は観ていて気持ちよいし、③は本来妄想の持ち主である観客の役目でもあるのだが、それをうまーく先取りされたりすると、素直にヤラレタ、と思う。
が、所詮、①は大喜利だろう。しかも、全てのシーンは、構成のルール上、①から始まらざるを得ない。そこで、下記のような弱点が噴出。

① 冒頭、いきなり、「わたしはこんな人ー」という自己紹介、100%説明台詞からシーンが始まらざるを得ない
② しかも、複数の役者が場をつくってそこに観客を引き込むのではなくて、役者が役者にその場で説明せにゃならんから、説明台詞指数百倍増し。
③ 舞台で場を創るときも、1対1で会話を創るのは(難しいなりに)まだ良い。が、1人加わって3人になった途端に、場が創れなくなってしまうケース多発。

で、結局、ラストに近付くと、「まとめやすい」「観客にとって終わりやすいだろうと思われる」一本の物語に乗っかっていこうという態度がにおってきて、それも辛かった。

やっぱり純粋インプロは難しいのだ。
こんな比較の仕方は双方に失礼かもしれないが、例えば、「あなざーわーくす」の「レクリエーション演劇」は、最初から①は用意しておいて、観客に も晒しておいて、②と③に命賭けて来るから観客が入り込みやすい。かつ、観客にも振るから、出演者と客席が文字通り一体。一方、去年観たシャトナー研は、 どちらかというと大喜利に徹して、(芝居からは遠く離れても)、エンターテイニングではあった。
東京オレンジについては、そこら辺を割り切りらず、あくまでインプロにこだわろうとする生真面目さは買うが、「どうせ割り切らない限りはここまで」的な妙な諦めが、どことない内輪ノリに繋がっているとすれば、それはちょっと残念。

ゲストの絹川友梨氏、昔は「飯島由美」名で遊機械に出てらした由。おお、そういえばどことなく見覚えあったよ。まさに20年以上ぶりに舞台で拝見。ちょっと懐かしい。来年アゴラで二人芝居やる由。楽しみだ

0 件のコメント: