2008年3月15日土曜日

MONO なるべく派手な服を着る

14/03/2008 ソワレ

雨の日ということもあり客席後方には若干空席もある中での当日券。
前回観た「地獄でございます」や文化村プロデュースの「橋を渡って泣け」、水下きよし演出の「相対的浮世絵」から推し量るに、今回もウェルメイド な匂いは消えないだろうと若干迷いもあったが、こんな雨の金曜日、芝居観なきゃ他にろくなこともしないだろうし、スズナリを訪問。

役者は9人。出はけ口6箇所(実は1箇所は隠れているのだが)。暗転4回を挟んで、大凡の人の出入りでシーン分けをすれば、17シーン(30分) /11シーン(20分)/12シーン(15分)/13シーン(30分)/9シーン(10分)。トータル1時間45分の、かっちり造られた芝居。勉強にな る。

うーむ、お前、でハケの回数数えとったんかい? と突っ込まれると、「すみません」というしかない。が、映画やアニメではそういう見方をする人もいるようだし、こんな見方をしてる客がいると分かったらかなり気分悪いだろうけれど、ご堪忍を。

ただ、ウェルメイドな芝居で仕掛けに先が見えるというのはまさにこういうことで、例えば、最初の30分で大体の状況を説明して、次の2つのシーン でそれを受けて、長めのシーンで盛り上げて、最後は短く大団円。客の方もそれをある程度予想しながら観ているし、演じる方も大方そこから外れていない。

そもそもこちらでそれを期待して小屋までやってきている以上、ウェルメイドなこと自体はネガティブな要素足りえないのだが、でも、そこに「破れ」「裂け目」がもちこまれないと、厳しい。

役者も良く考えて、しかも、おそらく細かい演出がついて、舞台に乗っているのに、そこに「破れ」の匂いがしないのが何とも口惜しい。芝居の構成も そうなのだが、どうも「予定調和的」な匂いがしてしまうのだ。じゃあ、予定調和じゃない演技ってどうよ、といわれると言葉に詰まるが、が、その演技の「運 動としての方向性」は確かに観客席からも感じられるわけで、

あぁ、僕はもっとポジティブな刺激のある芝居が観たい!

と思ってしまう。それはいっつもそうなのか、今週のことなのか、それとも今日だけのことなのか。そこら辺は実は「自分自身への興味」でもあるのだが。

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