2007年6月11日月曜日

タテヨコ企画 ムラムラギッチョンチョン

10/06/2007 ソワレ

俺、本当に、横田くんの芝居、好きだなぁぁー。好きだよ。
この劇団の芝居は、本当に、もっとたくさんの人に観てもらって欲しい。

坊さん修行シリーズ第三弾(でも僕は初めて観る)。脱走した若い僧を取り戻しに、仲間の修行僧達が田舎の旧家までやってくる。という話。

いわゆる一幕ものの現代口語演劇のカテゴリーにしっかり嵌まり込み、臭い演技を排除しつつも、飽くまでエンターテイニングに、観客を飽きさせないようサービス精神旺盛な作りこみ。

かつ、この役者たちを観よ。他で客演しているのを見ても、いわゆる獣系、鎖でしっかり繋いどかないとどんな演技するかわかったもんじゃないような役者が勢ぞろいする中で、それを立派に飼いならす演出の力にも瞠目する。
他から客演する猛者どもについても同様。

が、それらを踏まえた上で、何といってもこの劇団の物凄いところは、

「芝居全体が横田修の<いい人>な人格で溢れている」

ところである。そしてそれを、役者たちが嬉々として演じていることである。こんなに幸せそうに芝居してる連中には滅多にお目にかかれない。
(もちろん、外から見るのと実際に中に入るのとは大違いで、実話として、僕が舞台に立っているのを見て「こんなに楽しそうに芝居ができるものなのか」と勘違いして舞台に復帰したらやっぱりつらかった、という人間を一人知っている)

でも、こんな芝居、ここまでの良い仕事ができるのなら、喜んでだまされてみたい、と思わせる。

コアとなる役者だけでなく、ワキにも実力のある役者を配して、いや、本当に良い芝居を見た。
あ、そういえば、修行僧たちって、実は、アングラ正統派の三人組の流れをきっちり踏襲していたぞ。そこんとこもおじさんにとっては堪えられないかも。

シリーズ前作では舘さんが坊主頭になっていたと聞いて、それがとてもとても楽しみだったのだけれど、受付に普通の髪型の舘さんがいて、ちょっとがっかりでした。
舘さんいつもながら面白いのだけれど、お尻を掻くところはちょっとあざとすぎでした。ま、そこは、ご愛嬌、といったところで。

一体、こういう良い芝居を、どうやってもっと沢山の人々に観てもらえるようにするのか。
動員を狙って芝居を変えるのは本末転倒だろう。
逆に言えば、このテの芝居は、マス消費がしにくい、売りにくいということなのだろう。
だから、飛びつくやつらが出てこない。
ファストフードを食べるのりで観にくる客もいない代わりに、動員がブレークすることもない。
横田修の<いい人>ぶりまで消費されちまったらそれは大変なことで、1ファンとしては、このままブレークしなくてもいいかな、と思ってしまうのだが、また、それも、良くないんだろうな、きっと。

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