2007年6月17日日曜日

ワンマン・ショー

16/06/2007 マチネ

終演後最初の感想は「オレ、疲れてるのかな?」。
観ながらずっと考えていたことは、「本当に上手に書けているな」。

こんなにも上手に書けている芝居であるにも拘らず、開演から終演まで、ついに「はいれずに」終わってしまったのだ。

冒頭のシーンは、つかみとして上々、その後大団円に向けて何か仕掛けがあることを予感させる。
その後展開するシーンは適度に人間関係を「説明」しながら一方で「その場のやり取り」を展開させ、同時に「伏線」もきちんと張っておいて、ラストに向けてきっちり風呂敷を閉じる。
本当に良く出来た構造で、非の打ち所が無い。

舞台も左右の傾斜がアクセントになっていて、傾斜舞台で真っ直ぐ立ったり座ったりという演技って実はきつくって、大変だろうな、何て思いながら観ていたのだけれど。

でも、この遠さはなんだろう?
何だか、プロセニアム劇場以上にプロセニアムがはまっている感じ。芝居のテーマからいって、「作り物感」を出したいということなのだろうか?うーむ、そうだとするとちょっと違うような気もするし。
でも、役者の演技自体が気に食わないわけでもなかったんだけどなぁ...

とにかく不思議だ。小屋で観ているにもかかわらず、教育テレビで芸術劇場観ているかのように芝居が展開していくのだ。
最近読んだ本のフレーズを借りると、「一枚の薄いヴェール」が僕の座る客席と舞台の間に終始かかっていたのだ。

わざと遠く創っているのであれば、「それは違うんじゃないか」と言おう。
僕に原因があるとすると、それは、
①芝居を観るときはいつも万全の体調で
という標語か、あるいは、
②残念ながら僕の趣味は若いお洒落な感性についていけてない
のか、そのどちらかだろう。何だか、スズナリで観てみたい。
(と思ったら、次は吉祥寺シアターか。微妙なプロセニアム感ですね。)

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