03/06/2007 ソワレ
「ゆるい芝居」と銘打ったときに気をつけなければならないのは、「ぬるい芝居」にならないことと、「紋切り型」に陥らないことではないかと考えている。
重たい飛行機が空に浮いていられるのは高速で進んでいるからで、速度が緩んでもなお浮いていることは非常に難しい。速度のゆるい飛行機とゆるい芝居は、なかなか成立が難しいのである。
で、この芝居は、「だらしないひと」という割合紋切り型の設定に対して、「しゃべる猫」という設定を持ち込むことでモメンタムを持たせようとしているように見受けたが。
やはり苦しいのは、「猫っぽさ」とか「だらしなさ」とか、そういうものは紋切り型への罠を多分に含んでいて、この芝居もそこから抜けきれていなかったことかな。
あと、基本的なことでいうと、本来説明不要な状況の説明に説明台詞が使われちゃっていたことか。もともと緩くつくっているだけに、そういうところで推進力が更に落ちると、芝居が失速しかねない。
とはいえ、「感動させてやろう」という余計な力が入らないところから始まっていることは好感度もてる芝居でもあり、色んなテクニカルなところをチューンアップ出来たらな、と、素直に思ったわけです。
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