2007年4月1日日曜日

蜻蛉玉 頂戴

31/03/2007 ソワレ

欠点を指摘することは出来るけれども、観てて気持ちいい舞台だった。
素舞台に近いアゴラ。なぜか舞台奥の鉄のドアが剥き出しで、「お、いつか開くんじゃないか」と思わせる。ちょっと昔が懐かしくなって、嬉しい。

上演中も、3階に上がってみたり、ハシゴを昇り降りしたり、エレベーター使ってみたり、奈落の上に卓袱台載せて掘り炬燵にしてみたり、うん、アゴラの使い方を良く心得ておるぞ。

この芝居でも、過去の思い出・物語が繰り返し語られる。で、その物語の総体をどう現在で受け止めて、で、
で、それを未来に向かってどう打ち出すかは描かない。と。
それをどう評価するかは難しくて、本当は、その「先」の足掻きを観たいとも思ったりするのだが、
島林愛のエゴはまだそんなところまで来ていないのかな、という気もする。良い意味で、若い。その先にはまだ興味が無くても許される、現在に特化する権利を持っている、という気もしました。

で、破れということでいうと、やはり、芝居も島林のエゴが前面に出ていて、その点で、男優に優しくないかな。
で、美雨も「わかんない、わかんない」いうのは、しつこいぞ。でも、まあ、島林のエゴもそう言っていて答出てないんだろうけど、それは、逆に、何だか、許すけど、
でも、「聞いてるほうの身にもなれ」というところを、一歩下がって、舞台の上で出しても、よかないかな?
と、ちょっと思いました。

文句は言うけれど、気持ちの良い舞台だった。今日一日、竹中某の詰まんない本とか、自分のテイストに合わないパフォーマンスとか、前の日3時まで 飲んできつかったとか、考えてみたら水曜からずっとアルコールが抜けてないじゃんとか、そういうのを、アゴラでの90分間は忘れてました。サンキュ!

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