2007年4月30日月曜日

カムカムミニキーナ 大自然

29/04/2007 マチネ

このところ、自分の嗜好に合わない芝居であっても
「ま、いいか、みんなに愛されてるみたいだし」
となるケースがままあって、その勢いでカムカムミニキーナ。
清水宏さん、80年代後半にトップスの山の手事情社で拝見して以来(って、20年ぶりか!)、という興味もあった。

当日パンフに「こういう作品をつくりたかった」とあり、「もちろん人によって様々な受け取られ方をするでしょう」とある。よし、いいぞ。押し付けられるとネガティブ先入観で入っちまうからな。で、開演。

清水さん、変わっていない。「年をとらない」ことの再定義を求められそうな若さとエネルギーである。
で、気合とキレとテンションと滑舌とパワーとスピードで、エチュードも使って組み上げたシーンで構成していって、要所要所でメン切って長ゼリ入って、
って、実は、変わっていないのは清水さんではなくて、この芝居のツクリ方、なのではないか?

80年代後半の、駒場小劇場やら出来たばかりのピカピカのトップスやら、(恥ずかしながら小生行ったことの無い)大隈講堂脇特設テントやら、もうちょい下ってモリエールやらでよくやっていた、その頃の芝居の作り方、なのではないか?
何だか、70年代ハードロックの様式美を見せ付ける英国バンドの来日公演に来てしまったような気恥ずかしさを感じてしまう。

勿論、作り方自体は芝居の出来不出来とは別なので、そういうものとして、面白ければ面白いといえば良いのだけれど。で、回りくどくなったが、感想は、「清水・今奈良の芸は面白い。でも、全体として、芝居として面白いかは別」。

きっと、80年代の「あの」傾向の芝居をどんどん煮詰めて、洗練させていったとしても、今回の「大自然」にはならなかったと思う。作っている本人 達は、特にエチュードで重ねたところは、楽しかったんだろうな、とは思うが。要は、僕にとって問題なのは、この芝居が「80年代後半の芝居に対して僕が感 じていた違和感」をそのまま2007年に持ってきていることなのだ。

で、その違和感が何だったのか、今となっては突き止めるすべもないのだけれど。ただ、それを背負いながら20年頑張っている役者は、本当に、エラい。これは、冗談でもなんでもなくて。

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