27/03/2010 マチネ
田上パルがふじみで創る「やぶれかぶれ」二本立て、一本目は「常連組」と「オーディション組」が出演する「新春やぶれかぶれ」。
まずは大いに笑い、楽しんだ。と同時に、ここのところ「高校ハンドボール部もの」からどうやって抜け出そうかと四苦八苦していた田上パルの今後の方向感が見えた気がして、「なんだかほっとした」のである。
芝居の基本的な組み立ては、「熊本弁口語演劇一幕物」+「老若男女問わぬあたりの激しいアクションと大騒ぎ」+「超常現象」+「泣いて笑って喧嘩して、手をつないでかーえろっと」で変わらず。ハンドボールものの「師走やぶれかぶれ(初演)」「アルカトラス合宿」や、先行きの苦労を予想させた「改造人間」「青春ボンバイエ」とそんなに変わらない。強いていえば人間関係の基本ユニットが「友人」から「家族」にすりかわったことか。
今回、同じ大騒ぎな芝居でも大きな心配なしで最後まで観ていられたのは、一言でいえば、バランスなのだろう。「熊本弁」や「大騒ぎ」にもたれすぎないバランスがあったから、アクションがつらくない。そういうバランスを長女、三男、三女の3人、特に長女が支えていたと思う。逆に次女は「イロモノ」演出がちょっと強すぎて「なにもここまで」という気もした(本人のせいというよりは、演出の要求だと思うが)。
なんにせよ。この芝居のバランスをさらにファインチューンしていく中で、果たして田上パルが今後も「熊本弁」にどこまで拘るのか、ちょっと面白い展開かなーとは思ったのである。本拠地は首都圏に置いているわけだし、役者陣も熊本出身者からさらに広がってるし、必ずしも熊本弁の芝居に拘らなくてよいのかもしれない。その時に、田上パルの芝居がどのように変わっていくものなのか、ちょっと興味深い。
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