2010年3月7日日曜日

青春60デモ

06/03/2010 ソワレ

激しく揺さぶられた60分。なんという感動。
決して「素人のおじいさん・おばあさんががんばっているから感動した」みたいなチープな感動ではない。むしろ、そういうやり口には一定以上の警戒感をもって臨むべきだし、僕もそうしていたつもり。

そういう意地悪な客まで巻き込んで最後まで持っていったのは、もちろん役者が「がんばった」こともあるけれども、実は、杉原邦生の、ほぼあざといじゃねーかと言われても仕方がないくらいの、素晴らしい演出・構成があったからである。

それがあるから、
「市民演劇、みんなで頑張りました。下手だけどね。かんどー」とか、
「作・演出から役者まで、みんな素人だけど頑張りました。頑張ったことを評価してね」
みたいな出来の舞台とははっきりと一線を画して、しかも、不覚にも僕は感動してしまったのである。

昔、Weather Report の "Where the Moon Goes" のボーカルを Manhattan Transfer が担当したときに「人間の肉声さえも楽器のパートのように扱ってアレンジしてしまうジョー・ザビヌルの冷徹なエゴがすごい」と書いた人がいたが、今回はそれに似たものを感じた。

素材選び・コンセプトから具体的に舞台に乗せるところまで、徹底的にコミットした力のある演出家がいれば、美形でなくても若くなくても身体動かなくても経験なくても、本当に素晴らしい作品に仕上がるのだと言うことが、極端な形で示されていた。

「がんばったねー」と出演者に身内から声がかかることよりも「良い作品だった」と第三者に言わせたことの方が、実は、この作品について重要なのではないかと思う。やっぱり邦生はすげー。

が「これまでやれなかったことをやった」の中身が「舞台上でExileの振り付け」だったのは大笑い。14歳の国でできなかったのがそんなに悔しかったのかい!

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