2008年2月3日日曜日

青年団 革命日記

02/02/2008 マチネ

若手公演とはいいながら、役者の力量は「若手」で済ませることの出来ないほどで、昨年末から「火宅か修羅か」「隣にいても一人」「革命日記」と飛ばし続ける青年団の俳優の層の厚さに、今更のように驚く。

飛行場の管制塔と大使館の同時占拠。それが革命の口火となること。人々の間に革命への息吹を吹き込むこと。
そんなバカみたいなことを真剣に考えている人たちの話なのだが、でも、ついぞ20年前にはそういうことをリアルなものだと思っている人たちを実際 に目の当たりにしたことがあるし、つい10年ちょっと前には、そういうバカな人たち(路線は違うが)のために東京の地下鉄で命を落とした人がたくさんいた のだ。1970年代には、きっと、この「革命日記」で発せられる日本語も、もっとリアルなものとして体感され、共有されていたのではないか、という気もす る。

そういう日本語を、青年団「若手」の身体から受け取ることが出来るのは幸せな体験だった。

ただし、この芝居で前面に出てくる構造としての滑稽さは、観客からみると、ひょっとすると「遠い話」に見えちまわないか、と危惧した。「一般市 民」との接点や、「てめえの暮らしさえ変えられないやつが国の心配してどおするねん」というのは、一歩間違えるとティピカルな対比(と、それによるスパイ シーな味付け効果)だけとして捉えられる危険を冒している気がする。
だから、「海よりも長い夜」の方が、完成度の高い戯曲として位置づけられるのだろう。

青年団若手役者ショーケースという意味では、100点満点で150点。満喫した。青年団には珍しく、ジャズのビッグバンドで一人ひとりソロをとっ て魅せてくれた、という感じ。でも、その分、どうでもよいくらいにびみょーーーなアンサンブルを必ずしも要求しない戯曲になってた気がする。やろうと思え ばできる役者たちだったのに。なんでだろう?

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