2008年2月10日日曜日

五反田団 さようなら僕の小さな名声

09/02/2008 ソワレ

雪の渋谷、NHKふれあいホール。五反田団におよそ似つかわしくないひろ~いホールである。舞台上に前のめり傾斜舞台を組み、マイクで台詞を拾っての、「さようなら僕の小さな名声」再演。

僕は、前田氏は本来この戯曲で岸田賞を取るべきだったと思うくらいにこのハナシが好きで、今回も堪能した。

芝居がはねた後、7,8年ぶりくらいにあった友人とその連れと、僕の連れと、4人で飲んでて、その友人が、
「お話としては、くいしんぼうのあおむしくん、だよな」
と指摘。そうだ!くいしんぼうのあおむしくんだ!忘れていた、あの「こどものとも」の傑作を!

そして、なおも彼曰く、
「最後は、もうこれ以上かけません、っていって終わっちゃってるよな」
との指摘で、うーむ、それって、去年の岸田戯曲賞の選評でも、複数の委員が指摘していたぞ。チミ、鋭いよ。僕は、でも、そういう投げ出し方って好きですが。

NHKトップランナーのネタは正直微妙にスベっているのではないか、との評価が大勢であったが、全体として、そのウルサ方の友人もしっかり1時間50分観たんだから、全体としても面白かったんだろう。

僕としては、大蛇に呑まれるのが「彼女」だったのが、ちょっと残念だった(ずっと「アニマ」かと思っていたので)のと、マターン人三人家族を存分に堪能したこと、リスの小技にも注目できたこと、などが収穫でした。

このお芝居を見逃したという方は、せめて福音館の「くいしんぼうのあおむしくん」でも買って読んで、涙を流してください。僕はあおむしくんよりも立蔵葉子のほうに泣けるが。

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