2007年11月12日月曜日

五反田団+演劇計画2007 生きてるものはいないのか 再見

11/11/2007 マチネ

前回観た時に、もっと役者の細部を観たいと思った。
ので、今回は敢えて細部に集中。特に死に際(あ、この日記もネタバレ前提です)。

すると、やはり面白い。微妙なステップ、誰も見てないようなところでの表情、等々、本当に細かいところまで作ってあって、見てて飽きない。
しかも、やっぱり、死んでる人たちも、当然だが、息をしているわけで、お腹が上下動していると、それが又面白い。
お腹をガンガン押してたら「ゲフッ」だって。死人はゲフとかいわねーよ。
あと、芝居が終わって役者がみな立ち上がるときに、何だか寝起きみたいな顔で立つのがまたおかしい。

が、そうやって、一生懸命観ているうちに感じるのは、うーん、何と言ったらよいのか、作者あるいは演出家の(この場合は両方兼ねているから前田氏の)、悪意、めいたものである。
「こーゆー死に方を、せいぜい今のうちに嗤っちゃったりしとこう。どうせ芝居だから」というのか、
「生きてるっつったって、所詮、死んでないくらいのことだし」というのか、
「気合入れて死んだって、芝居の結末には何の因果も及ぼさないよね」というのか。
どれも不正確な気もするが、しかし、何か、そういう、悪人気取りと正真正銘の悪人の境界例のような悪意を、感じた気がする。
この、何とも言い表しがたい悪意は、素敵だ。「後味の悪さをはいどーぞ」みたいな芝居よりも余程気持ち悪く、心地よい。もう一度観ると又印象が変わるのかもしれないが、残念ながらもはや芝居ははねた。次回作楽しみ。

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