17/11/2007 ソワレ
1991年の初演以来、17年間上演を続けていると当パンにある。
え?そんなになりますか?実は小生、初演以来この芝居を観ていなかったのだ。不覚だ。
何だか、高校生の時分に買ったジャズの隠れ名盤が、引越しか何かの拍子に見つかったような感覚になる。
森下さんが出てきてみかんをむくだけで、涙でてくる。みかんの袋の白い繊維を丁寧に丁寧にとっていく指先と、微妙に浮き沈みする草履の踵。これを 演技と呼ばずして何を演技という。福士史麻の登場、微妙な内股の歩み、靴下の皺。土井さん、ジャケットの皺、立ち、目線。アゴラの空間を体温と緊張と弛緩 とで漲らせるのに頭数は必要条件でないことを如実に示す。
福士、土井さんとの会話の時に、頭に間(というか、一呼吸)が入る。「これは?」と思う微妙な線だが、初演の時も同じことが気になったなぁと思い 出す。してみるとこれは演出か。17年歳をとってみてみると、これはこれで、実は成立している。少なくとも、「おじさん」の目線から見ると。それが今はわ かる。僕も歳をとった。
平田オリザが1991年にここまでのものを書いていたということにも、今更ながら驚いた。あぁ、幸せな1時間半。満喫した。
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