18/11/2007 マチネ
紋切り型を有無を言わさず繰り出して、75分間退屈させずに持たせる力技。
僕が芝居を観に行く時に期待するものは観られなかったけれど、ここまでやれば立派である。嫌味でなく。
時々出てくる(おそらくは)テレビネタは、天気予報以外にテレビを観ない僕には全く通用しないし(ウケてるお客さんもいましたが)、最後のオチ も、「うーん、ここまで力で押しといたんだから、いまさらこんな風に落とさんでも」と、ちょっと思いはしたものの、重要なのは力と速さで紋切り型に突っ込 む余地を与えないことなんだから、それは枝葉末節だ。
こんな風にベタなストーリーに作・演出の妄想を貼り付けて、観客が引こうが引くまいがおかまいなく物語を役者に語らせていく芝居って、他にあったっけ?と考えて、
そうだ。唐だ。と思いつく。
もちろん、今日の芝居と唐芝居を較べちゃイカンとは思うが、でも、現在の演劇シーンの中で唐さんを超える(超えるためには、もちろん、同じコース を走ってなきゃならないわけで)可能性を万が一にも持っているのは、このテの芝居なのかもしれない。もっともっと、錯綜する複数のストーリーがあって、し かもそれらのストーリーラインがみんな細るくらいに作・演出の妄想が肥大化して、紋切り型がユニークな見立てで吹き飛ばされて、観客が冷静に判断するヒマ を与えないくらいのイメージの広がりが加わったら...などと考えてしまった。
次も絶対観に行こう、なんて言ってしまったらそれはウソだけど、何年か経ってみてスッごく面白くなっていたら、それは充分納得できる劇団である。
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