2016年7月11日月曜日

Eleanor Bauer & Chris Peck / Goodmove & Ictus / Meyoucycle

28/06/2016 22:00 @Kaaitheater (Kunstenfestivaldesarts)

行き過ぎた情報化社会に異を唱え、wifiやスマホと袂を分かち、自分のエゴと身の回りだけを信じて地下に潜ろう、溢れる情報に操作される世界よさようなら、自我の回復よこんにちは、というメッセージを力強く観客に押しつけ続ける2時間。絶叫とナルちゃんエモギターを主軸にミュージカル仕立てにしてあるけれども、技術の伴った学園祭の出し物の域を出ず。

観ながら感心していたのは、パフォーマー達が、上演中、常に自信満々であるように見えていたこと。こういうパフォーマンスを、真っ直ぐに、伝わるに違いないと信じて(あるいはこれで伝わらない奴らはバカか敵に違いないとみなして)舞台に乗せていること。「妙な情報化の中で自分を見失っていませんか?」という、ある意味大変重要なテーマなのだから、稚気に溢れたアイロニーも含めて受け容れられてしかるべきだ、という気合いが充ちみちていることに感心したのだ。帰り道、演出家・振付家のH氏(あれ、K氏だったっけ?)いわく、最初の10分でいいたいことは分かっちゃったと。その通りである。事実、僕が25字以内で纏めてあげているではないか。

それをクンステンフェスティバルに出品してしまうという荒技は、この集団だから出来るのか、アメリカ人だから出来るのか、クンステンだから出来るのか。答は分からない。クンステンの出し物の中でも評判が良いらしいよ、と聞いて出向き、客席も一杯だったのだが、さすがにブリュッセルの観客の中にもカーテンコールで全く拍手してない人たちが結構いて、そこは不幸中の幸いだった。



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