2016年7月16日土曜日

革命アイドル暴走ちゃん

25/06/2016 18:30 @Barbican, Pit

2016年、夏の欧州ツアーの最後を飾るバービカン・センターでの上演は、期待に違わぬフルスロットルでの暴走に圧倒的な作り込みの完成度の高さがきちんとついてきて、息もつかせぬ45分間。観ている最中、余計なことが頭から離れて、心を持って行かれた。観終わった後、劇場を出ても、スカッとした気分。

まずは客入れ。MCが良い。革命アイドル暴走ちゃんのコンセプトをしっかり理解していて、開演に向けて客席からの期待感を絶妙に、どんぴしゃりに操っていた。続いて登場する二階堂瞳子さんの日本語挨拶通訳付き、ってこらーっ、早口すぎてネイティブ日本人にも全く何言ってるのか分かんないじゃないかー、と思ううちに本編に突入するのだが、そういえばそうだ。革命アイドル暴走ちゃんの醍醐味は、意味を追ってもしようがないと思わせるまでの圧倒的な場量の多さとスピードと、それをつきぬけたところにある、どうしようもない伝わらなさの涅槃にあったんじゃないか。それを思い出した。

雪、花、わかめ、水は、今回は海外公演だからか臭い控えめ、下ネタ控えめ。舌ベロベロは、若干春画ジャポネスクを意識したサービスか。テキサス人のアマンダが舞台のセンターに立つ場面が多いように思ったが、それはおそらく、言葉のこともあったかも知れないけれども、あまりにこの座組を「日本チック」に固めると、観客の意識が「海の向こう、極東からやって来たキワモノでも観に行くか」っていう感覚に心地よく収まってしまうことを防ぐ効果があったとも思われる。そしてその効果は十分に上がっていたと思う。観客を舞台に上げて、その挙句に客席から舞台に向かってお辞儀してさっとはけていくフィナーレまで、見事な出来映え。猥雑さを失わずに余計な者をそぎ落として完成度を上げた、本当に素晴らしいパフォーマンスだった。

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