2016年7月14日木曜日

Phaedra(s)

10/06/2016 19:00 @Barbican

トータル3時間半の長い芝居。最初の2時間半、延々と、ワジディ・ムアマッドバージョンとセイラ・ケインバージョンのパイドラを絶叫芝居で熱演させておいて、観客に「くだらねえ!」と感じさせておいて、その後クッツェーのキャラであるエリザベス・コステロ登場。「いいか、フェードルっていったって俺様の手にかかればこんな知的なエスプリの塊として提示できるんだぜ」という展開。演出家の意図は、ここでエリザベス・コステロ出して「さすがオデオン座のフェードル」って言わしたいのだろうから、一観客としてはここは素直に「はいはい、演出の方の頭が良いのも、イザベル・ユペールが絶叫芝居も知的エスプリ芝居も両方こなせる大した役者さんであることも、どっちも良—く分かりました。分かったから、頼むから、最初から面白い芝居を見せてくれよ」と言うしかない。カーテンコールの拍手も、「はいはい、よーくできました。役者さん、頑張りました。お疲れー」な拍手以外のモノではない。

ヒッポリュトス役の役者が、疲れた中年男の風体で味が染みている。その味が、芝居そのものではなく、演出家の知性のひけらかしにのみ奉仕していたのが何とも残念だった。

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