2016年5月9日月曜日

Right Now

15/04/2016 19:30 @Bush Theatre

ケベックの作家Catherine-Anne Toupinによる戯曲をUKプロダクションで。アパートに引っ越してきたカップルを図々しく訪ねてくるちょっと変わった隣人夫婦とその息子、っていう、ありがちな設定ではあるものの、大変に評判の良い芝居で連日売り切れ、当日券が一枚だけ手に入るとなればこれはまさに天啓、観に行かねばなるまいと勇躍出かけたのだが、うーん、人気が出るのは良—く分かるけれど、そこまでかな、というのが正直な感想。

1時間30分の舞台をどう進行して、どう落とそうかというところには作家の着意があって、それはそれで良いのだけれど、演出・演技がどうも、「進行をスムーズに進めること」に奉仕している嫌いがある。現代口語演劇を経験してきた筆者は、「変な隣人がいかにも『わたしたちは変ですよー』という顔・表情・台詞回しで登場する芝居」をどうしても受け付けない。

ラスト「実は白昼夢オチでした。ですから、その中での人間の振るまいが若干変でも、誇張されていても、それはそういう整理ですから呑み込んでください」という言い訳じみた終わり方をしようとも、観客はラストからではなくて冒頭から芝居を観る訳なので、開始5分でドン引いてしまう演出はやはり避けて欲しい。

そう思う観客がいる一方で、ウェルメイドな芝居としては良く出来ていたのはそれは確か。筆者の隣にはひっきりなしに貧乏揺すりをしながら、薄っぺらいギャグで大笑いし続ける男性観客がいたりして、いや、それは、芝居はエンターテイメントなので、それを全否定するわけにも行かず、大変苦しい1時間半の戦いだった。

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