2010年7月5日月曜日

重力/Note 二人/狂う

02/07/2010 ソワレ

「最近の若い人は」と人括りにして言うのは本当に良くないと分かってはいるのだけれど、やはり第一印象として「本当に最近の若い人は真面目だし、しかもきれいにまとめる能力があるなー」と感じてしまった。

幕が開いてのっけから「ってこれは地点の安部さまコピーじゃあないか」と思わせてしかもその点に何の照らいもなく、で、実際役者陣にも力があって、「あまりにも地点コピーですね」というポイント以外殊更に貶める根拠もない。舞台美術もテアトロ・ド・ソーニョの雰囲気とマッチしてきれいだし、星野大輔の音響はそれはもういつも通りキレているし、つまりはトータルのプロダクションとして色々なことをきれいにまとめて、しかもスカしてない。

でもね、そういう舞台を一時間観ていても、グイグイと空気を客席に向かって押し込んでくる力を感じなかったのだ(・・・あぁ、おじさん臭い)。あまりにも生真面目にまとめてあるからだろうか、敢えて例えるとすると、イヨネスコの戯曲が表通りの商店のショーケースの中に、あらゆる意味で過不足なく・大過なく・ケチのつけようがなく、すっきりと陳列されているのを観てきた、という感じがしたのだ。

きれいにまとまっていなくても良いから、ショーケースのガラス窓がビリビリ震えて割れてしまうような、いや、割れなくても構わない、思わずガラスに鼻面押しつけて見入ってしまうような、そういう圧力が感じたかった。

その圧力は、スタイルから生じるものではないだろう。むしろ、圧力がスタイルを生じさせるはずなのだ。それがどういう圧力なのか、客の立場で創り手にエラそうに説教垂れることはできないけれど、少なくとも、それは、戯曲を手に取った時点で演出家のどこかにビリビリきてたはずなんだ。スタイルが観たいわけではないんだ。そのスタイルを採用してしまう創り手のことに、もっと興味が持てたら・・・

そういうのがもっと観たい!(・・・あぁっ、またもや年寄り臭くなってしまった・・・)でも、それが正直な気持ち。

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