2010年7月28日水曜日

パルコ劇場 空白に落ちた男

25/07/2010 マチネ

2006年に拝見した時の驚きはいまだに忘れていないし、ベニサンピットからパルコ劇場に場所を移してもなお、期待が裏切られることはなかった。

5人のパフォーマーはパルコ劇場の舞台を広いと感じさせず、たくさん動いているはずなのに「空間を埋めに行っている」感じが一切しない。物語を語りに行かず、おそらく多少話の辻褄が合わない(かもしれない)のには目をつぶって、動きのスムーズさが観客の視線を釘付けにする。ふと上方に目をやると、じつは舞台の天井にもベッドがしつらえてあったりして、そういうところのサービスがまた嬉しい。

会場には親子連れもチラホラ目に付いたが、これほどの名人芸なら子供達も飽きずに見入っていたに違いない。と書きたいところなのだけれど、恥ずかしながら、途中一箇所だけ瞼が重くなってしまった。安藤洋子さんのソロが始まる直前。どこを取っても面白いはずのこの公演でなぜ?と思ったのだけれど、多分、自分なりの答えは「音楽」。アコーディオン主体の音楽で、割と「音圧」「音の厚み」が始終一定だったと思う。音楽にしろ照明にしろ電車の揺れにしろ、一定の刺激を絶えず受け続けると、人間眠くなってしまうものだ、と、ちょっと自分に言い訳した。

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