2010年7月6日火曜日

鳥の劇場 白雪姫

03/07/2010 ソワレ

アゴラでこういうバランスの、しかもきちんとした芝居を観ることができるのは大変幸せなことだ。作・演出の中島氏が言うように、子供に見せるちゃんとした芝居、かつ大人の鑑賞にも充分堪えるもの、35年出会うのが遅すぎたよ。

素材が白雪姫だから、作り手の側も「何とかして物語を説明しなくては」というプレッシャーから自由になって舞台を組み立てることが出来る。その結果、演技、照明、舞台美術、小道具、音響といったところの細部まで手をかけることが出来るという好循環。

役者陣いずれも好演していたけれど、僕の一番のお気に入りは家来役の葛岡さん。「家来」というよりもむしろ僕達観客の先導者、視線の代理人として舞台の上のいたるところに顔を出してくれるのが頼もしい。森の小人のシーンでは(お城の家来の役だからしょうがないのは分かっていても)葛岡さんが出てこなくなってしまって、少しさびしかったな。

鳥取の観客の視線でかなり鍛えられ、磨かれているんだろう、こういう磨かれ方って、東京の消費者の中で揉まれても絶対に起きないことだと思う。素晴しい。

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