2009年8月25日火曜日

青年団若手自主企画 昏睡

17/08/2009 ソワレ

初日。青年団山内健司氏(ほんとーに若手じゃないぞ!)の企画に兵藤公美・「乱暴者」神里雄大を迎えて、かつ、戯曲が、去年のエーブルアートで小生を大泣きに泣かせたこふく劇場の永山氏なのだから、これは観に行くしかないでしょう。サマーソニックと並ぶ当家の一大ファミリーイベントと言って差し支えございません。

当初から「これきりで済ませず、永く続ける企画です」と言ってある上演のど初日の開演前、このわくわく感を家族三人でじっと待つ感覚は、ちょっと忘れられない。

開演直後、いきなり「力漲る」山内氏が登場してから90分間、2人の役者出ずっぱりで駆け抜ける。駆け抜けるといっても「疾走感」はなくて、ドロドロの湿地をトラクターが黒煙吹き上げながらエンジン吹かしっぱなし、但し速度は問わない、といった趣である。

僕はそういう舞台をむしろ堪能したのだけれど、帰り道は朗らかな家族の会話よりはむしろマジ話に近く、焦点は専ら演出家泣かせだったに違いない永山戯曲。
「できが悪い」と切り捨ててしまえるのか。
「なぜ山内氏はこんなにやりにくい戯曲を選んだのか」
「これからどうなっていくのか。戯曲をいじるのかいじらないのか」
「山内氏は初日だから力が入っていたのか」
「兵藤さんは良かったよねー」
「ラス前のフラッシュバックのシーンは良かったよねー」
等々。

今回もう一度観られる僕は幸運だと思う。この初日のドロドロは結構肥沃だ、という予感はある。

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