02/01/2009 ソワレ
新春一発目は三好十郎のヘビー級戯曲に多田淳之介が「真っ向から挑んで」(という言い方はとっても陳腐なんだけど、でも、その言葉が今回はとってもよく当てはまると思う)、ヘビーメタルでストレートな芝居を3時間堪能させてくれた。
妻子ともに、3時間戦いきった清々しい笑顔で、「本当に良い芝居だったね」といってアゴラを後にしたのである。
この芝居、娘の一番人気は坂本絢さんであった。妻の一番は治子を演じる山田裕子さん。娘・妻ともに推すのは佐藤誠。小生は猪俣さんを神とあがめる。が、実は、夏目慎也のあのつぶらな瞳の伏線が、昨年のハイバイ「落語編」に敷かれていたことを忘れてはならないだろう。と、まあ、挙げ始めたらキリがないのだ。役者、みな良かった。
多田芝居を限られた回数見た中で言うと、「演出勝負を隠さない」芝居(LoveとかCastayaとか)と「戯曲よ、オレにかまわず行けー」とばかりに戯曲を引き立てることに徹する芝居(二騎の会)とが、割と僕の中で線引きされていた気がする。今回は、演出勝負を隠さず、かつ、戯曲のテクストを脱線させない、まさに王道を行っている印象。去年のマクベスを踏み越えて、グイッとスケールが大きくなった気がした。
こういうスケールの大きな芝居を、アゴラのような小屋で近くで観ることが出来る観客は幸せだ。正月早々、素晴しい芝居が観られて縁起が良いことである。
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