2009年1月25日日曜日

サンプル 伝記 再見

26/01/2009 ソワレ

観終わって、何だか、爽やかで、「おお、この感覚を(特に嫁さんと)共有できたら」と思ったのである。

今、「非線形科学」についての本を読んでいて、難しいことはよく分からないのだけれど、僕なりに解釈してみると、
「表向きカオスでとっちらかったように見える事象も、実は、最初に定められた簡単なルールの帰結だったりする」
ということも、中に書かれていることの一つだった気がする。

サンプルの芝居に当て嵌めてみると、この芝居、表向き収束しないハナシであるように見えて、実は、松井周のルールは、彼の中では非常に簡単・単純なのではないか。で、一観客とすれば、役者の動きを要素要素に還元する努力よりも、むしろ、①個々のランダムな(のようにみえる)動きの総体が、実は変な形を描いてたりしていることの把握と、②その根元にある松井ルールの存在を信じること、に賭けて、1時間40分過ごすことが大事なんじゃないか、と思ったりしたのだ。

まぁたまた、すぅぐ読んだ本に影響されちゃうんだから、といわれては元も子もないのだけれど、でも、1回目に観たときの「ゴツゴツした」印象が、何だか滑らかなものに変わっていて、そのせいなのか、あるいは他の理由からか、芝居が3分の2くらい来たところで、世界が目の前で開けている、という感覚に襲われたのは確かだ。

「作品の世界観」とか「作者の世界観」というフレーズは好きじゃないのだが、今回のように劇の世界の地平が(たとえ勘違い・思い込みであっても)きれいに開ける体験というのは滅多にあることじゃない。と、そういう経緯で、サンプルを観た後であるにもかかわらず、気持ち爽やかに一日を終えることが出来たわけであります。

0 件のコメント: