23/01/2009 ソワレ
客入れ中に役者が出てきて舞台をアレンジするのだけれど、そこでの振舞い、表情の作り方、笑い方、ひそひそ話(なぜ敢えてひそひそ話なのか?普通にしゃべってはいけないルールがあるのか?)等、全て興醒め。先行き暗澹とした気分に陥る。
中屋敷演出の「月並みなはなし」、演出よし。というか、この戯曲をこの演出以外のやり口で見せられたらクサくて耐えられないのではないかと思われた。とにかくテクストを速く言う、とか、擬似ラップに移行するとか、そういう趣向は「三条会や多田淳之介や柴幸男を見てのことか?」と思わせたりもするが、さすが中屋敷氏で、随所に彼なりのスパイスというか、何と言うか、そういうものがしっかり利いて、パフォーマンスとして成立。
しかし、中屋敷氏よ、こういう試みを「実験」と言ってはいけない。芝居の上演に際して「自分が面白いと思う」ことをやるのは、実験ではなくて、むしろ必要条件です。当たるか当たらないかは、そんなの知るかい、でも少なくとも自分は面白いと思ったから舞台に載せる。それを自分で実験と言ってはいかん。そう思う。
ソファージュばあさん。後半イヴェット・シモンの長台詞、よく書けている、というより、よく訳してある。と思った。こういう台詞は、身振りをいれずに、面を切らずに、要は、客にことさらに訴えようとせずに、口に出してくれたら、文句ないんじゃないかと思う。このテの台詞を誰に言ってもらいたいかって、もちろん、角替和枝さんである。広岡由里子さんでもよい。そういう芝居が観たい。
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